ChatGPTとClaude、両方に課金しているのはなぜかと聞かれたことがある。答えに詰まった。便利だから、としか言えなかった。その「便利だから」を放置していたら、月々の請求がいつの間にか小さな固定費ではなくなっていた。
きっかけは家計簿アプリの通知だった。今月のサブスク支払いが多い、という何の変哲もない通知。いつもは流していたのだが、その日は珍しく開いて内訳を見た。そこで初めて、ChatGPTとClaude Codeの2つだけで月3万円を超えていることに気づいた。
まず数字を並べてみる
正確な金額は変動するので概算だが、AI関連のサブスクだけを足すとこうなる。
| サービス | 月額目安 |
|---|---|
| ChatGPT Plus | 3,000円前後 |
| Claude Code(上位プラン) | 3万円前後 |
| 合計 | 月3万円台前半 |
スマートフォンの通信費より高い。年間にすれば40万円近い計算になる。ここに、家計管理アプリや音楽配信、健康管理系のサブスクなど「AI以外」の月額サービスを足すと、さらに一段階上がる。
正直、この数字を最初に見たときは自分の目を疑った。1つ1つの請求額は「まあこんなものか」で流せる規模なのに、合計するとまったく別の桁になる。サブスクが「塵も積もれば」の典型だとはよく言われるが、自分の家計で実際に積もった塵の山を見るまでは、他人事のように聞いていた。
水道の蛇口が少し緩んでいるのと同じ
これは水道の蛇口が少し緩んでいて、ポタポタと水滴が垂れ続けている状態に近いと思う。1滴1滴は誰も気にしない。バケツに溜めて見せられでもしない限り、「無駄になっている」という実感は湧かない。ところが1ヶ月分の水滴を実際に集計すると、風呂何杯分にもなる、という話をどこかで聞いたことがある。
サブスクの請求も同じ構造だ。1件ずつはカードの明細に紛れる程度の金額で、「無駄」と認識するほどの重みを持たない。だが合計を出す、つまり水滴を1ヶ月分バケツに溜めてみるという作業をして初めて、無視できない量になっていることに気づく。蛇口を締める・締めないの判断は、その後で初めてできる。
なぜ積もるまで気づかなかったのか
理由は単純で、支払いのタイミングがバラバラだったからだ。ChatGPTは月初、Claude Codeは月末、家計簿アプリは年払い。クレジットカードの明細を毎月眺めていても、1件ずつは小さな金額として流れていき、「今月はこのサービスの分」という個別の認識で終わっていた。合計を出す作業をしない限り、全体像は見えてこない設計になっていた。
これはサブスクという課金モデル自体の性質だと思う。一括で大きな金額を請求されれば躊躇するが、月々に分割されると心理的なハードルが下がる。月3万円のサービスを「今すぐ現金で払え」と言われたら考え込むはずなのに、月々の自動引き落としだとそのハードルを飛び越えてしまう。
数ヶ月前、ChatGPTに課金を始めた自分に「合計でいくら使うことになりそうか、計算してから決めた?」と聞いたら、たぶん黙り込むと思う。Claude Codeを契約した時の自分も同じだ。どちらの時も「月々これくらいなら」という単発の判断しかしていなかった。今の自分がその時の自分に伝えられるとしたら、「1つずつの判断は間違っていないが、合計を見る習慣がなければ、いくつ契約しても気づけない」という一点に尽きる。
全部やめる、という選択はしなかった
ここまで書くと「じゃあ解約すればいい」という結論に飛びつきたくなるが、実際にはそうしなかった。理由は、これらのツールが実際に仕事や作業の効率を変えていた実感があったからだ。
Claude Codeは、このブログ運営を含む個人的なプロジェクトの調査・整理・実装作業を任せる用途で、日常的にかなりの時間を投じて使っている。ChatGPTは別の場面での相談役として使い分けている。それぞれ役割が重なっていない実感はあったので、「高いから解約」ではなく、「この金額に見合う使い方を続けられているか」という問い方に変えた。
結果として選んだのは、解約ではなく回収という発想だった。月3万円台のツール費用を「損」として受け止めるのではなく、その分を副業や作業効率化で埋め合わせられないかと考え始めたのが、このブログを含む一連の取り組みのそもそもの動機になっている。
この記事を書くこと自体が最初の一歩
正直に言うと、AIサブスクの費用を「回収する」という目標は、まだ道半ばどころか始まったばかりだ。この記事を含めて、実際に成果と呼べるものはまだほとんどない。それでも、費用を正確に把握しないまま「便利だから」で流し続けるより、数字を出してから判断する方が、自分にとっては納得感があった。
サブスクは契約した瞬間の便利さで判断されがちで、その後の「積み上がった合計」を意識する機会は意外と少ない。水滴を1ヶ月分バケツに溜めてみないと量が分からないのと同じで、合計を出す作業そのものをやらない限り、どれだけ「垂れ流し」になっているかは分からないままだ。
自分が実際にやった手順は、この3つだけだった。
サブスク合計を出す3ステップ(コピペして使えるひな形)
- 契約しているAI・サブスク系サービスをカード明細から全部書き出す(月額・年額を問わず)
- 年払いのものは12で割って、月額に揃える
- 全部足して、1つの数字にする
これだけで、個別の請求額を眺めていた時には見えなかった全体像が出てくる。持ち帰れるものがあるとすれば、この3ステップと、「合計を出すまでは判断しない」という順番そのものだと思う。数字を出す前と後では、次に取る行動が変わってくるはずだ。

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