サブスクを見直すとき、まず考えるのは「解約するかどうか」だと思う。ただ、続けると決めたサービスにも「これは払い続ける価値があるか」を確かめる瞬間は来る。いま月1,080円を払っている音楽サブスクについて、良かったことと、正直に迷っていることを書いておく。
2024年、仕事の環境が変わって移動中に音楽を聴くようになった。それまで使っていたdヒッツ(ドコモが提供する定額制の音楽配信サービス)から、Spotifyの有料プラン「Premium」に完全に乗り換えたのは、このタイミングだった。
キャリアに紐づいたサブスクの落とし穴
乗り換えの決め手は、実はSpotifyの機能そのものではなかった。スマートフォンのキャリア(通信会社)を変えたときにdヒッツの引き継ぎで手間取った経験があり、「次にキャリアを変えるときもまたこれをやるのか」と思ったのが大きい。
キャリアと結びついたサービスが必ずそうなる、と言い切れるわけではない。事前に調べていれば避けられた手間だったのかもしれない。それでも自分の中には、契約先を変えるたびに転居届を出すような手続きが一つ増える、という感覚が残った。月額だけを見て選んだサービスに、あとから「乗り換えるときのコスト」が上乗せされていた、とも言える。
dヒッツを契約した当時の自分に「そのうちキャリアを変えたらどうするつもりか」と聞いたら、答えられなかったと思う。サービスを選ぶときに見ていたのは、その時点での使い勝手と月額だけだった。
もちろん、無料版で我慢できなかった部分もある。曲の合間に広告が挟まることと、曲順をその時々の気分で入れ替えられないことだ。他のサービス(Apple Music・YouTube Musicなど)と比較検討したわけではなく、よく見るYouTubeチャンネルの楽曲配信先で名前を聞く機会が多かったので、そのままSpotifyにした。使い始めた直後は、dヒッツでは聞く機会のなかった曲がランダムに流れてくる新鮮さがあった。
使ってみて良かったこと
一番良かったと感じるのは、オフライン再生(あらかじめ端末に曲を保存しておき、電波がなくても聴ける機能)だ。電波の弱い場所を移動しているときでも、音楽が途切れずに聴き続けられる。もっぱら移動中に、Spotify任せの自動プレイリストで聴くという使い方をしているので、この「途切れない」という体験は使用頻度に直結している。
レコメンド(好みに合わせて曲をすすめてくれる機能)は、自分の好みに近いアーティストを出してくれているように思う。結果として、聴くアーティストの幅が以前より増えた。年に一度のWrapped(その年の聴取傾向をまとめてくれる機能)も、自分の好みがどう変わってきたかが見えて面白い。
費用の面から言えば、移動している間はだいたい流しっぱなしなので、月1,080円は使い倒せている側に入ると思う。ただし、他の音楽配信サービスをほとんど使った経験がないので、「Spotifyが他社より優れている」と比べて言えるわけではない。そこは正直に書いておきたい。
正直、気になっていること
2025年8月に発表された値上げで、月額980円から1,080円になった。率直に「痛い」と感じた。差額は月100円、年間で1,200円。数字だけ見れば小さいが、他のサブスクも同じように少しずつ上がっていくことを考えると、素直には受け止めにくい。値上げ自体はサービス側の事情として理解できるが、次に値上げがあるときは、それに見合うサービス改善や新機能を伴ってほしい。
細かいところでは、シャッフル再生で「今はその気分じゃない」という曲が上がってくることがある。自動でプレイリストを組んでもらう使い方をしている以上、ここが合わないと体験の質がそのまま落ちる。
一番正直に書いておきたいのはここだ。今のところ解約を考えているわけではないが、惰性で続けている自覚がある。 タイミング次第では他のサービスに乗り換える可能性がないとは言い切れず、次の候補として漠然とAmazon Musicが頭にあるものの、まだ具体的に調べて比較したわけではない。今ゼロから選び直すとしたら同じくSpotifyを選ぶか、と聞かれると、確約はできない。
まとめ
結論としては、移動中に「常に音楽が流れている」状態を作りたい人には、月1,080円を払う価値があると思う。オフライン再生と自動プレイリストの組み合わせが、その使い方に一番効いている。逆に、聴きたい曲を自分で選んで一日数曲だけ、という聴き方なら、この金額を使い切れているとは言いにくい。
もし同じようにキャリア系の音楽サービスを使っていて、これから乗り換えを検討するなら、次に乗り換えるときの面倒さも含めて比較しておくと、今回の自分のような「気づいたらまた同じ手間」を避けられる。月額の比較だけでは、この分のコストは見えてこない。
値上げのたびに「まあこれくらいなら」とスルーしてきたが、それが積み重なるとどうなるかはAIサブスクの合計費用を計算してみたら想像以上だった話で書いた通りだ。この1,080円も、いずれその合計に足して見直すタイミングが来る。


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